今年のゴールデンウィークの興行は、かつてないほどの盛り上がりをみせ、映画館は多くの人であふれました。
TOHOシネマズでは昨年のGW興行との対比で206%、コロナ禍前の2019年との対比でも126%、興収は44.7億円を上げる絶好調の数字に!これは同社のゴールデンウィーク期間歴代最高記録です。
さらに全国の映画館が加盟する全興連も、国内主要興行会社8社の全社がGW成績が統計が取れる2000年以降で歴代最高の興収となったことを発表しました。
中でも、目覚ましい大ヒットとなったのが4月14日公開の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と、4月28日公開の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』です。
この2作品は、GW公開作品の中でも、ずば抜けた成績を収めました。では、なぜこんなにもヒットしたのでしょうか? この特大ヒットを分析してみましょう。
名探偵コナンは悲願の興収100億円達成
4月14日公開『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、GW最終日となった5月7日時点で興収103億円を突破。興収100億円の壁を突破しました。
毎年4月中旬公開でGW映画の風物詩となっている『名探偵コナン』の劇場版シリーズですが、人気は右肩上がりに増え続けています。
こちらは『名探偵コナン』劇場版歴代興収のグラフです。2018年の『ゼロの執行人』から一気に伸び、90億円の大台に乗りました。一気に興収100億円が手に届く範囲まで急成長。
2023年、公開3日間で観客動員:217万人 興行収入:31.4億円という大ヒットスタートを記録。公開から1か月も経たない5月7日時点で、103億円の興収をたたき出しました! 劇場版シリーズ第26作目にして初の興収100億円突破です! 興収だけではなく、ヒットのスピードもこれまでとは段違いとなっています。
5月26日には、世界初となる「自動制御ペンライト演出付き発声可能応援上映」を開催予定。まだまだ盛り上がりそうです。
海外で大反響!『スーパーマリオ・ブラザーズ』は「地元」日本でも大ヒット
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4月28日、まさにGWの始まりと共に公開されたのが、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。
原作は、言わずとしれた任天堂の大人気ゲームシリーズ。日本発のコンテンツが、アメリカ・ハリウッドで3DCGアニメーション映画化されました。アニメーションを制作したのは、『ミニオンズ』シリーズでおなじみのイルミネーションです。
アメリカをはじめとした海外興行では4月8日から先行公開しています。アメリカではアニメ映画史上最高のオープニング成績だったことに加え、4週連続1位を獲得。5月7日現在、全世界での累計興収は、1,155,298,705ドル(約1,558億円)を超えました。マリオの海外人気の高さがうかがえます。
満を持して4月28日から「地元」である日本での公開となったわけですが、公開から10日の5月7日時点で累計成績は動員467万人、興収65億円を突破。ハイスピードな興行を続けており、早くも興収100億円突破は確実とされるほどの人気ぶりです。
「スーパーマリオ・ブラザーズ」というコンテンツには40年近い歴史があります。「スーパーマリオ」世代の層は幅広く、子供から大人まで、まさしくターゲットは「全年齢向け」のポテンシャルを秘めています。
イルミネーション作品としても、初動3日間の成績が『怪盗グルーのミニオン大脱走』対比で245.3%となり、日本における歴代ナンバーワンのオープニング成績となりました。
100億円突破作品が続々。アニメ映画が盛況
近年、アニメ映画の勢いがすさまじく、興収100億円超えの作品が多数出ています。
昨年8月公開の『ONE PIECE FILM RED』(最終興収197.1億円)は公開20日間で興収100億円を達成。昨年11月公開『すずめの戸締まり』(公開中・7日現在興収146.1億円)は公開45日間、昨年12月公開『THE FIRST SLAM DUNK』(公開中・7日現在139.6億円)が公開67日間で興収100億円を達成しています。
『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は2023年初の100億円達成作品となりました。この記録を『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が追いかけています。
現在、アニメのみならず、全ての作品の日本歴代興収ランキングの1位に君臨しているのは、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の404.3億円。「名探偵コナン」と「スーパーマリオ」はこの記録にどこまで迫ることができるでしょうか?