季節の流れは早いもので、最近は夜の空気がひんやりとしてきましたね。
この夏は『ONE PIECE FILM RED』や『トップガン マーヴェリック』など多数のヒット作が映画館を賑わしましたが、そろそろ年末に向けた作品がメディアなどでも取り上げられ、話題となり始めています。
当社では映画館メディアを企業様にご案内するにあたって、多数の作品の中からこの先の映画にどういった層の人々が興味や鑑賞意欲を持っているか各種リサーチを行っています。今回のコラムではそれらのデータから11月、12月に公開される秋冬作品の中で世代・年代による作品の注目度を読み解いてみたいと思います。
(データ出典:Filmarks Insights for Marketing )
男性はヒーローや話題作を好む
▶鑑賞期待ランキング【2022年11-12月公開作品】男性 10代~60代以上
1位 | アバター ウェイ・オブ・ウォーター (12/16公開) |
2位 | ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー (11/11公開) |
3位 | すずめの戸締まり (11/11公開) |
4位 | ブラックアダム (12/2公開) |
5位 | ある男 (11/18公開) |
『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』
(C)Marvel Studios 2022
まずは全世代・男性のランキングを見てみましょう。1位は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年)に抜かれるまで10年間世界興収1位を守り続けていた、『アバター』の続編、『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』。2位にはマーベル映画最新作である『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』がつけています。3位は新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』がランクイン。どれも年末興行の本命と言える話題作が並びました。男性鑑賞者は大作・話題作を好む傾向にあるようです。4位『ブラックアダム』は、マーベルと並ぶアメコミヒーローコンテンツ、DCコミックスのヴィランを主役とした映画です。こちらは男性ランキングでのみランクインしています。『ブラックパンサー』と共に、男性のヒーロー映画好きが反映された結果と言えそうです。
女性は案外サスペンスものが好き?
▶鑑賞期待ランキング【2022年11-12月公開作品】女性 10代~60代以上
1位 | 母性 (11/23公開) |
2位 | アバター ウェイ・オブ・ウォーター (12/16公開) |
3位 | すずめの戸締まり (11/11公開) |
4位 | ある男 (11/18公開) |
5位 | ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー (11/11公開) |
『母性』
(C)2022映画「母性」製作委員会
次は全世代・女性のランキングです。男性1位の『アバター』は女性のランキングでは、2位に。注目すべきは男性ランキングでは5位以内に入っていない『母性』が1位となっていること。さらに、男性ランキングでは5位だった『ある男』が4位と、1ランクアップ。どちらも邦画サスペンス作品です。
意外なのは、上位5位作品に恋愛ものが1作品も入っていないこと。女性=恋愛ものが好き、というイメージは、もう過去のものであるのかもしれません。
ティーンらにも『アバター』人気が高い
▶鑑賞期待ランキング【2022年11-12月公開作品】男性・女性 10代
1位 | アバター ウェイ・オブ・ウォーター (12/16公開) |
2位 | すずめの戸締まり (11/11公開) |
3位 | 母性 (11/23公開) |
4位 | ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー (11/11公開) |
5位 | - |
『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』
(C)2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
1位は男性・女性ランキングでも上位に来た『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』。『アバター』の前作は2009年公開。すでに13年前の作品となります。ティーンには前作をリアルタイムで鑑賞した人は少ないと思いますが、洋画大作としての期待値は十分なようです。配信などによって旧作が気軽に視聴しやすい環境にあることも、人気の追い風となっているかもしれません。ティーン世代男女のランキングは、大型作品、話題作に票が集中しました。
全世代・性別ランキング
▶鑑賞期待ランキング【2022年11-12月公開作品】男性・女性全世代
1位 | アバター ウェイ・オブ・ウォーター (12/16公開) |
2位 | すずめの戸締まり (11/11公開) |
3位 | ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー (11/11公開) |
4位 | 母性 (11/23公開) |
5位 | ある男 (11/18公開) |
『すずめの戸締まり』
(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
最後に全世代・性別ランキングです。今回の調査では、全てのランキングで『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』、『すずめの戸締まり』、『ブラックパンサー ワカンダ・フォーエバー』が入るなど、世代・性別を問わずネームバリューのある大作に万遍なく期待票が集まっていることがわかります。特に新海誠監督の『すずめの戸締まり』の各種ランキング入りは、若年層寄りであったアニメの客層が、世代や性別の垣根を超えて広がっていることを示す結果となったのではないでしょうか?
いかがでしたでしょうか。今回選ばれた作品以外にも多くの話題作は控えていますが、作品の戦略上あえて直前までプロモーションを抑えるケースもあり、今後もこれらの作品の順位は常に入れ替わっていくことも想定されます。
映画によって来場者には大きな特色があります。話題作『トップガン マーヴェリック』のように公開当初は中高年層の集客が中心だった作品が、ヒットをするにつれて、10代や女性層まで拡がり多くのファンを獲得するなんてことも珍しくありません。
シネアドは作品選択により来場者属性や興味関心によるターゲティングが可能なメディアです。
皆さまも映画館に行かれた際に、この作品にはどのような人が集まっているのかと少し周りを見渡していただくのも面白いかもしれません。