緊急事態宣言を受けて、営業自粛をしている映画業界。
そんな中ではありますが、映画業界では映画文化を支えるために休業中に様々な取り組みが行われていました。
今回は、そんな映画業界の取り組みをいくつかご紹介いたします。
HUMAXシネマが未来チケットの販売スタート
関東を中心にシネコンを展開するHUMAXシネマズが、「未来チケット」の販売をスタート。
12月31日まで使用できる「BACK TO HUMAX!映画館で待ってるよ!」チケットを5月15日まで販売するというもので、価格は通常の前売り券と同様の1300円。お得な価格で、しかも作品は自由に選べるお得な企画です。販売単位2枚以上~、5月中旬より順次発送予定(郵送)とのこと。
>>HUMAXシネマズ「BACK TO HUMAX!映画館で待ってるよ!」チケット販売ページ
各大手シネコンでも、自社のシネマチケット・ポイントの有効期限延長などの対応を行っています。
またムビチケを取り扱う株式会社ムービーウォーカーでは、公開延期となった作品のムビチケ前売り券を、延期後の公開でもそのまま使用可能にする対処が行われています。ムビチケが無駄になったわけではありませんので、前売りムビチケはお手元に保管を!
ハリウッドスターとの「共演権」が当たる寄付金がスタート
日本でもよく知られるハリウッドスター、レオナルド・ディカプリオ&ロバート・デ・ニーロが、コロナ禍で困窮する人々を支援する寄付金をスタート。
この寄付金のユニークなところは、寄付を行った人のなかから抽選で1名に、ディカプリオとデ・ニーロが出演するマーティン・スコセッシの新作「Killers of the Flower Moon(原題)」での「共演権」をプレゼントするというもの。ハリウッドを代表する映画監督と名優の作品に出られるだけではなく、映画のプレミアにも招待されるというのですから、さすがハリウッド!という太っ腹な企画ですね。
大作映画公開までの予習に!過去作配信が続々と!
外出自粛要請による映画館の休業もあって、春から初夏にかけての大作映画が、軒並み延期となってしまっています。
しかし、シリーズ物の大作映画では、自粛期間中に過去作を無料公開するなどの取り組みが続々とはじまっています。。
『名探偵コナン』
1997年公開の劇場版第1作「時計じかけの摩天楼」から、2006年公開の第10作「探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」まで、全10作品無料配信が、Hulu、Google Play、U-NEXTほかの動画配信サービスでスタート。各作品は48時間限定で順次公開され、会員登録なしでも無料で視聴できるようになっていた。近年の過去作も、TV放送を行った。
『ヱヴァンゲリヲン劇場版』
最新作は公開延期となったものの、「序」「破」「Q」の過去3作品を、製作会社のカラー公式YouTubeチャンネルで無料公開。エヴァ公式アプリ「EVA-EXTRA」でも無料公開がされている。
>>『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』3作を公開中の「カラー」公式チャンネル
また、公開延期作品ではありませんが、9月公開予定の『美少女戦士セーラームーンEternal』が、公式YouTubeで無料配信されるのは、『美少女戦士セーラームーン』『美少女戦士セーラームーンR』『美少女戦士セーラームーンS』のTVアニメ版3つのシリーズを順次公開するなど、外出自粛期間に映画の過去作品を自宅で楽しんでもらう取り組みが広がっています。
ミニシアターを守るクラウドファンディング開始
映画館の中でも、小規模上映の多いミニシアター系の映画館は、休業に際して大きな打撃を受けることになりました。
その苦境を救うべく、クラウドファンディング形式にて「ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」が開設されました。
閉館の危機にさらされている全国の小規模映画館「ミニシアター」を守るため、映画監督の深田晃司・濱口竜介が発起人となって有志で立ち上げたプロジェクト。
クラウドファンディングで集まった金額から、クレジットカード会社への決済手数料5%、及びリターンをご用意するための運営事務局の手数料を引いた金額を、参加するミニシアター運営団体に寄付の形で分配します。
参加する全国110劇場の中から希望の映画館で映画を鑑賞することができる「未来チケット」や、ストリーミング再生による映画視聴権が返礼品として用意されているコースもあり、すでに1億円以上の寄付が集まっています。映画ファン熱いの想いを感じますね!
ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金の開催は2020年5月14日までとなっています。
>>ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金
映画館と映画ファンが支えるこれから
コロナ禍の中での映画業界での取り組みをご紹介しましたが、こういった取り組みの数々は、多くの映画ファンの存在あってこそです。
厳しい情勢は今しばらく続くことが予測されますが、映画業界が1日も早くかつての盛り上がりを取り戻せることを願います。