10月28日(月)より、第32回東京国際映画祭が開催されております。
サンライズ社では当映画祭の特別上映プログラム『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』において、視聴覚障害・多言語に対応したバリアフリー上映イベントに協力しております。
バリアフリー上映の詳細については、先日更新しておりますリリース記事をご覧ください。
>>第32回東京国際映画祭で、鑑賞者全員が「字幕メガネ」を使って上映作品の体験鑑賞ができる『障がい者並びに多言語バリアフリーイベント』に協力
今回は、こちらの「字幕メガネを利用した視聴覚障害・多言語対応上映イベント」を実際に体験してみたレポートをお送りいたします。
東京国際映画祭会場へ
六本木駅に到着すると、駅の天井には東京国際映画祭の広告が!期待が高まりますね!
会場はTOHOシネマズ六本木ヒルズになります。
今回のバリアフリーイベントで上映された『東京パラリンピック 愛と栄光の祭典』は、1965年5月公開の作品。なんと55年ぶりの復活上映です。
世界で初めて「パラリンピック」という愛称で呼ばれた1964年の東京パラリンピックを記録した、ドキュメンタリー映画となっております。
日本の障がい者スポーツの原点ともいえる、記念すべきパラリンピックの映像を、字幕メガネによる『バリアフリー』で観られるイベントです。
1964年東京パラリンピックの映像は、こちらのドキュメンタリーの他にはNHKのものしか残っていないということで、大変貴重な映像です。
©2019 TIFF
本編上映前にパラリンピック応援大使を務める「仮面女子」の猪狩ともかさんと、ソフィアオリンピック・パラリンピック学生プロジェクト「Go Beyond」代表の山本華菜子さんが登壇され、トークイベントをおこないました。
当時の社会情勢や、現在の障がい者福祉への取り組み、2回目の東京パラリンピック開催への思い、そしてバリアフリー上映の感想など、濃密なトークをお聞きできました。
字幕メガネでバリアフリー体験
いよいよ、実際にバリアフリー上映の開始です。こちらが、上映に使用した字幕メガネの画像。エプソンが開発した聴覚障害者のためのバリアフリー字幕と解説字幕がレンズに映るメガネ「MOVERIO(モベリオ)」です。レンズの中央部分に、少し見え方が違う部分があるのがおわかりでしょうか?
服につけられるクリップ式のミニマイクで上映の音を拾い、画面に合わせた字幕がメガネに表示される仕組みになっています。
音を拾ってメガネに表示される、という仕組みですので、スクリーンから一瞬目をそらしてしまっても、見逃すことはありません。
バネ式で広がるようになっているので、顔のサイズに合わせて調整できます。
こちらは劇場内で、メガネを装着している皆さんの様子です。かなりスタイリッシュなデザインで、近未来感がありますね。
ちなみに、メガネをかけた状態でも装着することができました。映画の時はメガネ必須!という方も多いかと思いますので、メガネを使用中でも使えるのはうれしいでですね。
映画には音声が入っていない解説も、文字色を変えて表示することができます。視聴覚障がいや多言語対応のバリアフリー上映への活用はもちろんですが、作品解説やキャストコメントなどを字幕で流しても面白そうですね!
どんな方でも映画を楽しめる時代に
字幕メガネによるバリアフリー上映ではスクリーン側の設備は必要なく、視聴覚障がいをお持ちの方や、日本語字幕を読めない方でも、気軽に映画を楽しむことができるようになります。字幕メガネは、2020年以降、順次シネコンなどに設置を進めていく予定とのこと。
こういった形の上映が普及すれば、どんな方でも公開直後に最新の映画を特別上映を待つことなく観られるようになるでしょう。