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コラム 2023年9月7日

【TOHOすすきの(仮称)今秋OPEN】映画館の激戦区!札幌映画館の歴史を振り返る

建設が進む、「TOHOシネマズすすきの(仮称)」が入居予定の「COCONO SUSUKINO」

2023年秋、札幌すすきのにTOHOシネマズの直営映画館「TOHOシネマズすすきの(仮称)」がオープンします。
札幌駅・大通駅・すすきの駅の中心街エリアには大型シネコンが2劇場、ミニシアター系も含めると、4劇場となります。ちなみに、札幌近郊には隣の市のイオンシネマ江別、イオンシネマ小樽などもあります。

今回は、新館オープンで盛り上がる札幌の映画館事情について書いていきたいと思います。

「札幌東宝公楽」とかつて札幌にあった数多くの映画館

札幌東宝公楽(当時)

実はすすきのに東宝系列の映画館ができるのはTOHOシネマズすすきのが最初ではありません。2010年までは東宝直営の「札幌東宝公楽」という劇場がすすきのに立地していました。
「札幌東宝公楽」の歴史は古く、なんと開館は1921年(大正10年)!はじめは「美満壽館(みますかん)」という名前で開業しました。その後何度か名前を変え、館名を札幌東宝公楽としたのが1974年(昭和49年)。北日本きっての歓楽街すすきのに位置していますが、客層はファミリー中心で、子供向けのアニメなどを多く上映していたそうです。
シネコン台頭前には、「札幌東宝公楽」の他にも様々なチェーンの直営館が存在しました。「札幌ピカデリー」、「札幌東映劇場」、「札幌東映パラス」「松竹遊楽館」などです。配給会社直営以外にも、「札幌帝国座会館」「札幌マリオン劇場」などがありました。
弊社に残る2002年の映画館名簿では札幌市中心街にある映画館はシネコン・単館系合わせてなんと18劇場! それもすべてが北1条・南1条~5条の大通・すすきのエリアにありました。転機となったのは2003年(平成15年)の「札幌シネマフロンティア」のオープンで、大手3社の共同経営シネコンができたことで直営館や単館系が次々と閉館しました。18劇場あった映画館は、9劇場まで減りました。札幌中心街のエリアは、完全にシネコン優勢の時代に入ったのです。
「札幌東宝公楽」は「札幌シネマフロンティア」開館後も営業を続けていましたが、2010年(平成22年)長い歴史に幕を閉じました。

「TOHOシネマズすすきの(仮称)」が開業することで13年ぶりにすすきのに東宝直営館が戻ってくることになります。

札幌シネコンの発祥は?

スガイシネマプレックス札幌劇場(当時)

札幌で最初にシネコンタイプの劇場が誕生したのは1995年(平成7年) 。 札幌須貝ビル内の映画館8館をリニューアルし、全7スクリーンの「スガイシネマプレックス札幌劇場」がオープンしました。「スガイシネマプレックス札幌劇場」は後に「ディノスシネマズ札幌劇場」と改称し、ディノス札幌中央ビルの老朽化などもあり、2020年(令和2年)に閉館。同年、豊水すすきのから狸小路5丁目に移転。後継館として4スクリーンの映画館「サツゲキ」が開業しました。
1998年(平成10年)6月には、「パラマウント・ユニバーサルシネマ11(現・ユナイテッド・シネマ札幌)」がオープンしました。サッポロファクトリー内に位置し、2023年現在も札幌でIMAXと4DXを完備した唯一の劇場として営業中です。
その後、2003年(平成15年)「札幌シネマフロンティア」が日本初のTOHOシネマズ(東宝)、松竹マルチプレックスシアターズ(松竹)、ティ・ジョイ(東映)の大手映画会社3社が共同経営するシネコンとして誕生しました。
ちなみに、札幌近郊も含めますと1997年(平成9年)に「ワーナー・マイカル・シネマズ江別(現・イオンシネマ江別)」、1999年(平成11年)に「ワーナー・マイカル・シネマズ小樽(現・イオンシネマ小樽)」が開業しています。
また、2011年(平成23年)は新千歳空港内に、「じゃがポックルシアター(現・新千歳空港シアター)」がオープンしています。このシアターは日本国内初の空港内映画館となります。

 

TOHOシネマズの開業で映画館利用客にも変化が?

「COCONO SUSUKINO」は地下鉄すすきの駅直結。市電すすきの駅正面に位置。

「TOHOシネマズすすきの(仮称)」は、札幌市では3館めとなる大型シネコンのオープンとなります。札幌駅直結の「札幌シネマフロンティア」、大通駅(バスセンター駅)近隣の「ユナイテッド・シネマ札幌」、すすきの駅直結となる「TOHOシネマズすすきの(仮称)」で、南北に伸びる札幌中心街の3駅にそれぞれ最寄りのシネコンができることになります。

札幌駅・大通駅/バスセンター駅・すすきの駅は地下通路で繋がっており、移動が容易です。さらにすすきの駅はファッションビルの多い4丁目交差点からも近く、買い物のついでに気軽に立ち寄ることができる好立地。中心街での映画館選びの選択肢が広がり、映画館利用者の動向も変わってくるでしょう。
「TOHOシネマズすすきの(仮称)」には、北海道初上陸となる「轟音シアター」や、TOHOシネマズのハイエンドシアターである「プレミアムシアター」が導入予定。TOHO独自のフォーマットが話題になりそうです。

3つの大型シネコンが群雄割拠となる札幌中心街。「TOHOシネマズすすきの(仮称)」のOPENでさらに盛り上がることになりそうです。

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